──“あきらめさせない”関わり方と、チームを育てる4つの工夫
◆頑張っているのに出られない選手に、どう向き合えばいいのか
こんにちは、すずめです。
練習では誰よりも真面目に取り組んでいる。
でも、試合となるとベンチに座る時間が長い。
そんな選手の姿を見て、「申し訳なさ」や「もどかしさ」を感じたことはないでしょうか。
私もかつて、うまい選手だけをずっと出場させていたことがあります…
出られない選手への声かけがうまくできず、気持ちを聞けないまま、次の試合を迎えてしまったことも…
コーチだって、悩みながら指導している。
でも、コーチだからこそできることもある。
この記事は、そんな気持ちを抱えたコーチと一緒に、
“出場機会の少ない選手とどう向き合うか”を考えるものです。
◆結論:「出場の機会」と「声かけ」で、選手の価値を伝えよう
まずは“今は出ていない選手こそ、チームの未来をつくる存在”だというマインドのチェンジがコーチに必要です。
試合に出られない選手が、自分のことをあきらめずに努力を続けることは簡単ではありません。
でもそんな選手が報われるチームには、コーチの関わり方に工夫があると感じます。
私もできていないことだらけですが、
・全員に出場の機会をつくること
・日々の姿勢に目を向けること
・チーム内の「競争」を健全に育てること
を意識するようになって、選手の表情が少しずつ変わってきました。
◆選手とチームのために、コーチができる4つの工夫
① 練習試合では「全員を出す」が基本
出場は“特別なご褒美”じゃない
私が心がけているのは、練習試合では全員に出場のチャンスを与えること。
1分でも、30秒でもいい。
「コートに立った」「パスを受けた」「ディフェンスで戻れた」「シュートを打てた」──
その経験こそが、成長の種になると思うからです。
うまくいかないときもあります。
「出すタイミングを逃してしまった」とあとで悔やむこともあります。
でも、それでもどうやって全員に機会をつくろうとしています。
その姿勢が伝われば、選手も変わってくれると信じています。
② 出場できなくても「見ているよ」「チームに必要だよ」を伝える
試合に出られないと、
「自分はチームに必要ないのでは?」
と感じてしまう選手もいます。
だからこそ私は、プレー以外の貢献を見逃さないようにしています。
・ 試合の準備、片付けを率先してする
・ 進んで審判やTOをする
・ ちょっとしたことでも仲間に声をかけにいく
・ 練習するためにみんなより早く来る
そういう行動に、感謝や気づきをことばで伝える。
「ありがとう」と。
これは私自身も、以前はあまりできていなかった部分です。
そんなの当たり前だと思っていた部分もあります。
でも、そういったことを大切にするチーム文化を作っていきたい。
声掛けも、少しずつしていくうちに、自然と言葉が出るようになってきました。
③ プレイタイムの差は「技術だけじゃない」ことを共有する
「うまくなれば試合に出られる」とは限りません。
チームプレーや信頼感、タイミング──
すべて含めて、試合で必要とされる選手になっていく。
だから選手たちにもこう話します:
「試合に出るって、技術だけじゃなくて
チームから信頼されているか、チームにどういう影響を与えているかも大事なんだよ」
「見てくれてるんだ」「そういう基準があるんだ」と明確に伝わるだけで、
前向きに努力しやすくなる選手もいます。
④ 今は出られない選手が、チームの底力を育てていく
ラグビーのエディジョーンズ監督からヒントを得ました。
一番うまい選手が「10」だとしたら、
「2」や「3」の選手が少しずつ伸びることで、
「4」「5」の選手が努力し成長し、「6」「7」も努力し始める──。
つまり、下から突き上げる成長が、チーム全体を押し上げる。
そのきっかけをつくるのが、今試合に出られていない選手なんです。
この視点を持てるようになってから、
出場機会のなかった選手を積極的に起用しようという考えに変わりました。
彼らの努力が、チームを強くしてくれる。
本当に、そう信じています。
📘 参考図書:『コーチングとは信じること』(エディー・ジョーンズ 著)
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◆まとめ:失敗しながらでも、声をかけ続けていこう
私もまだまだ、声かけのタイミングを逃したり、
選手の悩みに気づけなかったりすることがあります。
でも、そこで立ち止まらずに「次はどうしよう」と考えられるようになりました。
コーチも、成長していく存在です。
選手と同じように、試行錯誤して、少しずつうまくなっていけばいい。
「試合に出してくれて、ありがとうございます」
「あの試合で出れたから、バスケがもっと好きになりました」
「あの一言で、もう少し頑張ろうと思えました。」
そんな場面を、またひとつ増やせるように。
一緒に考え、行動していきましょう。
すずめ
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