「競争」と「闘争」の違いから考えるチームスポーツの本質
スキルを磨いているのに、なぜ試合で力を発揮できないのか?
「技術が通じない場面」で気づいた違和感。
スキルで勝っていない相手に勝てた理由。
練習ではうまくいっていたのに、試合になると動けないチーム。
そんな経験、ありませんか?
私自身、プレーヤーとしてスキルは高くないのに活躍できた経験があります。
そしてその理由が、ずっと言語化できずにいました。
この本――『競争闘争理論 サッカーは競うべきか闘うべきか』を読んで、ようやく理解できました。
サッカーやバスケのような”闘争競技”、本当に“闘う”準備ができている?
練習ではスキルの習得に励んでいる。
でも試合では、相手に邪魔をされてスキルが発揮できない。
そんな場面を、プレーヤーとしてもコーチとしても、何度も見てきました。
闘争競技では、ただ上手くなるだけでは足りない。
・ 相手に「影響を与える力」
・ 相手の「影響を無効にする力」
この2つをどう育てていくのか。
そこに取り組む練習が、今行っている練習にどれだけあるでしょうか?
スポーツには「競争」と「闘争」がある
この本の最大の価値は、「競争」と「闘争」という2つの概念に分けて、捉え直してくれることです。
競争とは?
・ 相手に邪魔されない
・ 自分のスキルを発揮できる場
・ 例:短距離走、水泳、体操など
闘争とは?
・ 相手に邪魔する権利がある
・ 自分も影響を与え、受けながらプレーする
・ 例:サッカー、バスケ、ラグビーなどのチームスポーツ
私たちが日々取り組んでいるスポーツの多くは「闘争型」です。
それなのに、練習は「競争型」の発想に立って、作られていませんか?
「影響力」を育てるためのヒントが詰まっている
本書では、プレーの中での影響の与え方・受け方がどのように起きているかを言語化し、それをどう練習で育てていくかの道筋が示されています。
例えばこんな視点があります
・ 「1対1」の練習を“闘争型”にする視点
・ 味方のプレーに好影響を与えるポジショニング
・ 相手の影響を無効にする判断や動き
・ プレッシャー下でのプレーの質の鍛え方
味方への「影響力」も練習すべき理由
さらに嬉しいのは、味方への影響力についても扱っていることです。
チームスポーツにおいて、味方がプレーしやすくなる環境をつくる力。
それも「技術」ではなく「影響力」であることを、明確に示してくれます。
「今の練習は、本当に“闘う”準備になっているか?」
この本を読んで、私はあらためて問い直すようになりました。
・ 相手を無視したスキル練習ばかりしていないか?
・ 試合で“効く”力は、何なのか?
・ 「邪魔されても発揮できる力」はどう育てるのか?
指導者としてもプレーヤーとしても、持っておきたい視点がここにあります。
まとめ:闘争競技の“練習の目的”を、もう一度見直そう
スキル練習はもちろん大切。
でも、それだけでは試合で通用しないのが闘争競技です。
試合で力を発揮するために、「影響力を育てる視点」を
これからの練習に、少しずつ加えてみませんか?
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