育成年代コーチにおすすめの関わり方3つ
教えるのが難しいのは、あなただけじゃない
「説明したのに伝わらない」
「ちゃんと教えたのに、できるようにならない」
「反応が薄い、動きが変わらない…」
そんな経験、ありませんか?
私も何度も悩みました。
教えてるつもりなのに、選手に届かない。
もどかしくて、ついイライラしてしまったこともあります。
でも、それって「あなたの教え方が悪い」という話ではなく、教えるってそもそも難しい行為なんです。
だからこそ、「どう教えるか」ではなく「どう関わるか」を工夫することで、伝わり方は変わっていきます。
伝わっていないと感じる理由は、”教え方”のどこにあるのか?
育成年代の選手が「わからない」「動けない」理由には、いくつかの背景があります。
- コーチとの経験値の差が大きい
→ コーチは知っていて当然のことも、選手には未知の領域であることが多い - 言葉の意味がうまく届いていない
→ “間合い”や“スペース”などの抽象語、種目特有の専門語は、実感と結びつかないことも - 頭では理解していても、まだプレーで表現できない
→ 理解と実行の間にはどうしてもギャップがある
だからこそ、「なぜ伝わらないのか?」「どこにエラーがあるのか」を振り返りながら、伝わる関わり方を少しずつ増やしていくことが必要なんです。
指導現場で試したい、伝わる関わり方3つ
① 言葉を“選手目線”に翻訳する
コーチはその世界のことをよく知っていてよく使う言葉でも、選手は初めて出会う言葉であることが多くあります。
経験の差から、言葉の意図がつかみにくいこともあります。
「スペースをみよう」→「コートに入ったら、両方のエンドラインとサイドラインをみよう」
「ピックアップ!」→「自分のマークマンを探して」
このように、「どう動けばいいか」が具体的にイメージできる言葉に変えると、選手の反応も変わります。
“コーチ語”を“選手語”に翻訳するつもりで伝える。
これだけで、動きが変わる場面が確かにあります。
② “伝える”より、“感じさせる”環境をつくる
説明を重ねても伝わらないときは、動けばわかる環境を作ることが有効です。
もともとスポーツを言葉ですべて説明するのはとても難しいことでもあります。
たとえばこんな工夫:
- 時間制限のある1対1(走りながらプレーすることが自然に起こる)
- ルールを変えた小さなゲーム(動きたくなる状況を作る)
- 成功体験を得やすい設定(やってみたくなる気持ちを引き出す)
選手が「なるほど、こうすればいいのか」と自分の中で納得できる体験があれば、言葉以上に深く伝わります。
③ “説明”より“問いかけ”で導く
「こうしよう」ではなく、
「どうだった?」と問いかけてみる。
たとえば、練習の合間や終了後に、こんな質問をしてみます。
「今のプレーで一番よかったのは?」
「どこでうまくいかなかった?」
「次はどうしたい?」
「さっき同じようなこと、前にも起こってなかった?」
問いかけによって、選手自身が自分のプレーを振り返るようになります。
これは単なる会話ではなく、選手の“内発的な理解”を促す大切な指導なんです。
まとめ:うまくいかないときこそ、関わり方を変えてみよう
「教えるのが難しい」と感じるのは、コーチとして真剣に選手と向き合っている証拠です。
でも、「伝えたつもり」で終わらずに、
- 選手目線で言葉を変えてみる
- 環境を整えて、プレーから理解を促す
- 問いかけで気づきを引き出す
そんな関わり方を増やしていくことで、選手の力もつき、伝わり方は必ず変わっていきます。
うまくいかないときこそ、指導者の腕の見せ所。
選手と一緒に、自分自身も育っていけるような指導を目指していきましょう。
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