「ほめなきゃ」と思うほど、苦しくなることがある
こんにちは、すずめです。
「とにかく、ほめることが大事」
「うちの子は、ほめて伸びるタイプなので」
「叱るより、ほめて伸ばそう」
そんなふうに言われることが増えました。
けれど実際は──
- どうほめたらいいか分からない
- うまくほめようとしても、自分でも嘘っぽく感じてしまう
- 頑張ってない選手を無理にほめるのは抵抗がある
- 練習に身が入らない生徒を見てモヤモヤする
- 負けが続くと「これは自分の責任か?」と落ち込む
指導の現場で、そう感じたことのある人も多いのではないでしょうか。
私自身、そんなふうにモヤモヤする日々がありました。
本で出合った「関わりすぎなくていい」という視点
あるとき、『嫌われる勇気』という本に出会い、
アドラー心理学の「課題の分離」「勇気づけ」の考え方を知りました。
“関わりすぎない勇気”が、信頼を生む。
その視点にふれたとき、私は肩の力が少し抜けた気がしました。
「全部を自分で背負わなくてもいい」とまさに勇気づけられました。
アドラー心理学の2つのヒントを、指導に活かす
アドラー心理学は、「人間の悩みはすべて対人関係の悩み」と考えます。
そしてその悩みから自由になるために、以下のような考え方を大切にします。
- 課題の分離:その問題は誰のものか?
- 勇気づけ:評価ではなく信頼で関わる
この2つは、現場の指導者にとって大きなヒントになります。
① 課題の分離:「それは誰の問題か?」を見極める
選手が練習に集中しない。指示を聞かない。
そうした場面で、私たちはつい「自分の指導が悪いのかも…」と自分を責めてしまいがちです。
でも、アドラーはこう言います。
「その行動の結果を引き受けるのは誰か?」が課題の境界線になる。
- やれる環境を整える、誠実に関わる : 指導者の課題
- それ以上は「相手の課題」として切り離す
- 練習に取り組むかどうか : 選手の課題
これを知ったとき、私は初めて「任せていいんだ」と思えました。
選手に伝えるメッセージとしてはこうです。
「練習をするかしないかは自分で決めよう。ちゃんと見てるよ」
関連記事:
👉 「やる気が見えない選手」とどう向き合う?選手を動かす関わり方
② ほめない指導:「評価」ではなく「信頼」の言葉をかける
「すごいね」「えらいね」──
そうほめようとしても、うまくいかないことがあります。
そもそも、うわべだけの言葉だと、伝わらないし、自分でも違和感が残るものです。
アドラー心理学では、「ほめる=上下関係」と捉えます。
ほめるのではなく、“勇気づける”。
それは、「見ているよ」「気づいているよ」と伝える言葉です。
💬 使える励ましの例:
- 「自分で判断してたね」
- 「うまくいかなかったけど、工夫は伝わってるよ」
- 「今のチャレンジ、そのまま続けよう」
こうした声かけは、評価ではなく信頼に基づいた関わり方。
選手の内側にある「やってみよう」という気持ちを育ててくれます。
関連記事:
👉 コーチングの鍵は信頼にあり!選手との関係を築く具体的行動とは
この考え方に出会えたのが『嫌われる勇気』だった
『嫌われる勇気』は、岸見一郎さんと古賀史健さんによる、アドラー心理学を対話形式で紹介したベストセラーです。
- 誰の課題かを見極める「課題の分離」
- 評価しない「ほめない指導」
これらの考え方に出会い、私は
「指導者は、コントロールではなく、“信じて任せる”でいいんだ」
と考えるようになりました。
今までの自分とは少し違う考え方に出合えた本でした。
まとめ:“関わりすぎない”からこそ育つものがある
- ほめようとしてもうまくできない
- 頑張ってくれない相手に、ついイライラしてしまう
- 負けるたびに「自分のせいだ」と感じてしまう
そんなあなたにこそ、アドラーの言葉は届くはずです。
課題の分離と勇気づけの視点を持つだけで、指導はもっとラクに、もっと深くなっていく。
私自身、この本に出会ってから、「全部を自分で抱え込む必要はない」と気づくことができました。
その分、コーチとして本来すべき“環境づくり”に、より集中できるようになりました。
それだけで、指導に向き合う姿勢が変化しました。
おすすめの本ですので、ぜひご覧ください。
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