面白い本に出合いました。
子どもとの関わり方やスポーツ指導に悩む初心者コーチに、ぜひ紹介したい一冊です。
先輩コーチから私も勧められました!
こんな悩み、ありませんか?
教えている選手たちが
・指示通りやってくれない
・すぐに飽きてしまう
・自分で動いてくれない
・子供が練習にやる気を出さない
そんなときのヒントがこの本には詰まっていました。
私も「なんでちゃんと練習しない?」と選手に言ってしまったこともあります…
結論:子どもは遊びながらのほうが、ずっとよく学ぶ
・真剣にやらせようとしていたけれど、子どもは「遊び」の中でこそ集中し、創意工夫する
・教えすぎるコーチングは、かえって学びを遠ざけてしまうこともある
・まずはコーチ自身が、遊びの力”を活かしたスポーツ教育の価値を知ることが第一歩
『遊びが学びに欠かせないわけ』に学ぶ、子どもが伸びるコーチングのヒント
書籍を紹介します。
遊びが学びに欠かせないわけ―自立した学び手を育てる 2018/4/7
ピーター・グレイ (著), 吉田 新一郎 (翻訳)
リンクも貼っておきます。
教える前に、コーチが“自由に試せる場”をデザインすることの大切さに気づかされました。
https://amzn.to/3ESVcKn
自由がないと試せない
本書では、「遊び=自由な試行錯誤」だと説明されています。
大人にはふざけて見える行動でも、子どもは自分なりに試したり変えたりして学んでいるのです。
でも私たちの練習では、やり方を決めてその通りにさせがちです。
つまり、“試す余白”がない。チャレンジする場所がない。
これではやはりつまらなくなる。
大人でもそうです。単純作業の繰り返しでは、退屈になってしまいます。
確かに単純作業の繰り返しの中でも、楽しさが見いだせる選手もいます。
そういった選手たちばかりではないのも事実です。コーチの工夫の余地がここにあります。
たとえば「この練習、ゴールの方法は自由」とするだけで、子どもは自然に工夫し始めます。コーンを無作為に置いておくだけでも、そこに向かってドリブルを始めたり、間を割っていったり、遊び始めます。「好きにやって」や「自由」と聞くと中高生の中では「正解は何?」という思考になってしまう選手も見かけます。
そんな場合でも選手は環境に適応していくので、お互いのプレーを見たりしながら“遊び方”を学んでいきます。
教える前に、コーチが“遊べる自由”を用意しているか?が大事なのだと気づかされました。
自分で関わると、夢中になる
子どもが夢中になるのは、「自分が関わった遊び」だと本書は言います。
昔の公園では、「今日何する?」と子供同士が相談している場面がたくさん見られました。大人がすべて決めてしまうと、どうしても“やらされ感”が出てきます。
一緒にプレーをすることもあります。本書に触れて私の中の意識も、一緒に何して遊ぶ?という意識に変わりました。
「ドリブルなしでやるわ」と言うと「シュートもなしで」といった具合に選手がルールを提案してきます。選手同士でも「上級生は…」「下級生は…」といった具合に、いろいろ出てきて楽しくなります。
いつもの3対3の前に「今日はどんなルールでやる?」と聞くだけでも変化が生まれます。
ルールを一緒に作る、自分たちで工夫する。
その小さな関わりが、主体性につながっていきます。
教えすぎると、考えなくなる
私もよく「違う」「こうやるんだよ」「こっちみて」とすぐに教えてしまっていました。
バスケットのプレーに正解があり、それを教えることが“コーチの役目”だと思っていたからです。
でもそれが、“自分で考える”機会を奪っていたのかもしれません。
少なくとも、今は違うアイデアを共有するというスタンスです。
本書では、「子どもを自立した学び手に育てるには、選ばせることが大切」と書かれています。
教える前に、「今のどうだった?」と問いかけてみる。
そうすれば、子ども自身の気づきが動き出します。
たくさんの試みやそれによる失敗を自由に行う=遊びが次の試みをすることにつながります。
教えていないからできなくて、負ける
それは、コーチだけの責任ではありません。
育成年代のコーチは、勝ち負けも大切ですが、それだけではないゴールも目指してほしいです。
本書には、学びの責任を子どもに返すべきだとも書かれています。
そして、子どもの自ら学ぶ力を信じることの必要性も語られています。
まとめ
少しの“遊び”が、学びを変えます。
そして、子どもは本来、遊びながら学ぶ力を持っている存在です。
私たちコーチにできることは、“教えること”だけではなく、子どもが自由に試し、工夫し、学べる場をつくること。
明日の練習、ひとつだけ「正解のない時間」を作ってみませんか?
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