練習がなんとなく重い。
頑張っているのに空気が冷たい。
声を出したくても、浮きそうで出せない…。
そんなふうに感じたことはありませんか?
実は、「練習の雰囲気」は上達スピードにも、選手のやる気にも直結するとても大事な要素です。
この記事では、練習の空気を変えたいと願うあなたに向けて、
- なぜ雰囲気が成長を左右するのか
- 空気を変えるために大切なマインドセット
- 明日からできる3つの実践方法
をわかりやすくお届けします。
練習の雰囲気が、上達に影響する理由
練習の「質」を高めるために、技術や戦術以前に見直したいのが“空気”=雰囲気です。
声が出ている、拍手がある、ミスを恐れずに挑戦できる。
そんなポジティブな空気の中では、選手は自然と力を発揮しようとします。
反対に、無言、無反応、ミスに冷たい空気の中では、誰もチャレンジしなくなってしまう。
上達には「挑戦」が必要。
そして、挑戦には「安心できる空気」が必要。
だからこそ、雰囲気づくりは“勝つための土台”です。
空気を変える前提:失敗を許容する文化を育てる
活気ある練習をつくるために、最初に大切なのは、「失敗しても大丈夫」という空気です。
これは『ダブルゴール・コーチング』(トム・フォーバス著)にも書かれています。
この本では、プレーヤーの人格形成と競技力向上の“両方”を重視しながら、心理的安全のある環境をどう作るかが具体的に語られています。
例えば、ミスに対して否定的なリアクションではなく、「水に流す」ジェスチャー(トイレの水を流す手ぶり)をすることで、笑いが起き、空気が軽くなります。
これは、ただ許すのではなく、「切り替えて、またチャレンジしていいんだよ」という明確なメッセージです。
空気を変える3つのアクションステップ
① 拍手ひとつで空気が動く
「ナイスプレー!」と声を出すのが恥ずかしくても、拍手ならできる。
拍手は、「今の見てたよ」「いいね!」という無言の承認になります。
実際に、練習中に拍手を意識して取り入れるようにしただけで、周りの選手たちも自然と反応しはじめ、チーム全体の雰囲気が目に見えて明るくなりました。
② ミスしたら「水に流す」
プレー中に失敗したとき、無言やため息では空気がどんよりしてしまいます。
そんなときに効果的なのが、“水に流す”ジェスチャー。
先ほど紹介した『ダブルゴール・コーチング』でも取り上げられているこの方法は、笑いと前向きな切り替えを両立させる素晴らしい習慣です。
こうしたリアクションがチームに根づくと、「ミスしてもまた挑戦できる」という空気が育ちます。
練習試合や公式戦でも使う場面があり、チームの一体感が生まれ、粘り強さも増していきます。
③ “一緒にやってくれる仲間”をつくる
雰囲気を変えるには、最初の「ひとり」が必要です。
でも、一人で続けるのは正直つらい。だからこそ、共感してくれる仲間を増やしていくようにします。
私も「いいプレーや励ましたい時に、一緒に拍手しようか」と初心者のプレーヤーに声をかけたことがあります。
その一人が加わったことで、次第にチームのリアクションが変わっていきました。
たった一人から始まる“連鎖”。
一人から二人へ、二人から四人へ、四人からチーム全体へ。
それこそが、マルコム・グラッドウェル著『ティッピング・ポイント』で語られているような、「空気が変わる転換点」なのです。
雰囲気を変える文化は「行動」と「継続」から
練習の雰囲気を良くするには、形だけの声かけでは足りません。
拍手、リアクション、前向きな空気をつくる行動を誰かが始めて、毎日続けることが必要です。
- 最初のひとりになる
- 一緒にやってくれる仲間を見つける
- 毎日少しずつ空気を整えていく
これが、雰囲気が「文化」になるプロセスです。
なんとなく気が乗らない日も、チームに入ればいい雰囲気に引っ張られてハードワークができる。
これこそがチームで、活動できる強みになります。
まとめ|空気は行動から変わる。始まりは、あなたの一歩から
練習の雰囲気を変えるには、「コーチ」「キャプテン」である必要はありません。
ただ“最初のひとり”として動けるかどうか。それがすべての始まりです。
拍手ひとつ。
ミスへのリアクションひとつ。
選手への小さな声掛けひとつ。
明日の練習からできることが、確かにあります。
空気が変われば、チームも変わる。
ぜひ、あなたの一歩から始めてください。
関連書籍
『ダブルゴール・コーチング』トム・フォーバス著
選手の成長と勝利の両立をめざすコーチに向けた指南書。
心理的安全・チーム文化・フィードバックのあり方など、現場で実践できる具体例が豊富です。
『ティッピング・ポイント』(マルコム・グラッドウェル)
「小さな行動が、大きな変化を生む」仕組みを解き明かした名著。
空気や文化の変化を論理的に理解したい方におすすめです。
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