コーチが育てるべきは、“できるようになる力”
こんにちは、すずめです。
コーチとして、こんな悩みはありませんか?
- 指導しても、なかなかできるようにならない選手がいる
- できないことに対して、言い訳ばかりする選手がいる
- やる気が感じられず、変わろうとする姿勢が見えない
もどかしいですよね。でも、そんなときこそコーチの出番です。
やっぱり、選手にうまくなってほしい。
何とか変わってほしい。
“できるようになる”を味わってほしい。
選手が「できない」ときこそ、“変われるチャンス”が眠っています。
今回は、選手が「できない」と感じているときに、
コーチとしてどんな視点を持ち、どう支えればいいのか。
そのヒントをお伝えします。
「できない=ダメ」ではない
まず大前提として、「できないこと」は悪ではありません。
「できない」のは、まだ伸びしろがあるということ。
でも、コーチがそれを“否定”してしまうと、選手はチャレンジをやめます。
「失敗したら怒られる」
「下手なところを見せたくない」そんな空気の中では、成長は止まってしまう。
だから大事なのは、「できない」状態をどう扱うか。
選手がそこから“工夫して挑戦する”過程に寄り添えるかどうかが、
コーチの腕の見せどころです。
言い訳をする選手には、どう向き合う?
選手が言い訳をし始めたとき、ついイライラしてしまうこともあります。
でも、その奥には──
- 「うまくいかないのが怖い」
- 「自分には無理だと思っている」
- 「失敗して評価が下がるのが嫌だ」
という不安や自己防衛が隠れています。
言い訳をしているうちは、自分の外側に矢印が向いています。
「コートが滑った」「相手が強かった」「声かけが足りなかった」など。
でも、選手が“自分自身に矢印を向ける”ようになったとき、
初めて行動が変わり始めます。
「どうしたらできるようになると思う?」と問いかける。選手が考え始めたときに、成長が動き出します。
コーチの声かけが、思考の向きを変える
「なんでできないんだ」と責めてしまえば、選手は閉じます。
「こうすればいい」と教えるだけでも、自立にはつながりません。
選手の矢印を自分に向けさせるには、問いが有効です。
たとえば──
- 「次は、どうしたらうまくいくと思う?」
- 「もし工夫できるとしたら、何を変える?」
- 「この練習で、できそうなことって何がある?」
こうした問いは、選手自身が「自分ごと」として考えるきっかけになります。
工夫している途中に、気づいてあげられるか
選手は、できるようになる前にいろんな“試行錯誤”をします。
- 言われた通りじゃないけど、やり方を少し変えてみた
- うまくいかないなりに、何かを試してみている
- 本人なりに動き出しているけれど、まだ結果が出ていない
その“変化の芽”に、気づいてあげられるかどうか。
それが、コーチの喜びを深くしてくれます。
コーチングは、結果を見る仕事ではなく、
「過程の中の希望」に気づく力でもあると思っています。
プレーヤーとしての私も、ずっと思っていた
私は昔から、本気でこう思っていました。
「マイケル・ジョーダンでもないし、NBAプレーヤーでもないんだから、まだまだうまくなれる」
「だから、スランプなんてない」
できないことがあるというのは、まだできるようになるチャンスがあるということ。
その考え方が、ずっと自分を支えてくれました。
まとめ|「できない」を責めず、「できるようになる力」を育てる
- 「できない=ダメ」ではなく、「これから」があるだけ
- 言い訳する選手には、“矢印を自分に向ける”問いかけを
- 結果だけでなく、変化しようとする過程に目を向ける
- コーチ自身も、変化に気づけると指導がもっと楽しくなる
「今できない」ことを認める勇気がまず必要です。
そして「これからできるようになる」ことを信じて関わる。
「どうしたらできるようになるか」を一緒に探す。
コーチがそうやって見てくれるからこそ、
選手はまたチャレンジできます。
「できるようになるまで、支える」コーチでありたいですね。
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