こんにちは、すずめです。
コーチとして現場に立つと、
練習メニューを考えたり、選手の反応に対応したり、問題点を見つけたり……
毎日「やるべきこと」に追われて、頭がいっぱいになることがあります。
「何が一番大事なのか?」
「この方向で合っているのか?」
そんなふうに感じたこと、ありませんか?
今日は、そんなときに役立つ「物事の見方」の話です。
ジム・トンプソン著『ダブル・ゴール・コーチ』に登場する印象的なエピソードをきっかけに、
コーチとしての“視点の持ち方”について整理してみたいと思います。
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「犬を叱った父親」と、視野の狭いコーチ
これは、ジム・トンプソン著『ダブル・ゴール・コーチ』にで紹介されていた印象的なエピソードです。
真夜中、自宅の犬バーフィーが吠える。寝不足の父親は犬を叱る。しかしズームアウトして見ると、庭の隅には泥棒の姿が……。吠えていたのは“家族を守るため”だったのです。
この父親は、“目の前のうるささ(小さな絵)”しか見えていませんでした。
でも、本当に見るべきだったのは、“泥棒を追い払った”という全体像(大きな絵)だったのです。
これはまさに、日々のプレーや勝敗だけを見ているコーチにも当てはまる話です。
小さな絵(ズームイン)|目の前に集中する視点
“小さな絵”とは、今起きていること・その場面だけを見て判断する視点です。
選手自身もこの視点で動いていることが多いので、コーチにも必要な視点ではあります。
たとえば:
- 今のプレーが良かったか悪かったか
- 今日の練習で何ができた/できなかったか
- 特定の子の課題を探す
ただし、小さな絵だけを見ていると…
- 「〇〇が大事」と言いすぎて、選手が混乱する
- 一回の失敗に過剰反応して、課題が多すぎるように感じる
- 成果が出ているかどうかが、見えづらくなる
つまり、ズームインだけでは全体像を見失ってしまうのです。
大きな絵(ズームアウト)|流れや全体を捉える視点
大きな絵とは、「その出来事が、どんな目的地へ向かう途中なのか?」を捉える視点です。
これはコーチだからこそ持っていたい視点です。
たとえば:
- 今の練習は、全体のスキル構成のどこに位置するか(目次の目線)
- 成功・失敗の“分布”から傾向をつかむ
- 「結局このチームにとって一番大事なのは何か?」を整理する
失敗一つにしても…
- 【いい失敗】:新しいことに挑戦した結果なら、成長の一部
- 【悪い失敗】:繰り返し同じミスをしているなら、対策が必要
大きな絵がなければ、こうした判断はできません。
両方の視点を行き来することが大切
小さな絵は、選手の“今”を見るために必要
大きな絵は、選手の“未来”を考えるために必要
優れたコーチは、地図(大きな絵)を持ちながら、
今いる場所(小さな絵)から次の一歩を考えられる人だと思います。
まとめ|“ズームの切り替え”がコーチの整理力を高める
このように、どちらか一方の視点に偏ると、判断がぶれてしまいます。
目の前の出来事に追われてしまうと、つい「何が大事か」を見失いがちです。
そんなときこそ、「小さな絵」と「大きな絵」の視点を切り替えてみてください。
- 今見えているのは、“出来事”なのか、“流れ”なのか?
- この失敗は、「次につながる」ものか、「見直すべき」ものか?
私自身、今でも迷ったり、反応しすぎたりすることばかりですが、
一緒にこの“見方の練習”を続けていけたら嬉しいです。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。
参考書籍:『ダブル・ゴール・コーチ』(ジム・トンプソン)
選手の“今”と“未来”の両方を育てるヒントが詰まった一冊。
本記事の“ズームイン・ズームアウト”の視点はこの本に登場します。
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