コーチングをしていると、こんな気持ちになったことはありませんか?
- 「技術指導はできるけど、これでいいのか?」
- 「いろんな人の考えを見聞きして、自分の軸がぶれている気がする…」
そんなモヤモヤを抱えながら、真剣に指導に向き合っている方に向けて、
今回は「コーチとしての価値観を整理する」ことについてお話しします。
なぜ、価値観の整理が必要なのか?
スポーツには多様な指導スタイルがあります。
勝利を最優先するスタイルもあれば、人間性の育成を重視するスタイルもあります。
どれが正解ということはありません。
ですが、「自分は何を大切にしてコーチングをしているのか」が明確でないと、
判断に迷ったり、選手への関わり方にブレが出てしまうことがあります。
指導は判断の連続です。
だからこそ、コーチとしての軸=価値観を言葉にして整理しておくことがとても大切です。
他人と価値観が違うのは当たり前
他のコーチを参考にすることは、とても良いことです。
ただし、その人が大切にしていることと自分の価値観が違う場合、取り入れ方には注意が必要です。
逆に、自分の価値観と合っているなら、ぶれることはありません。
「軸があるかどうか」で、他人の意見に振り回されるか、自分らしく判断できるかが変わってきます。
コーチとして、あなたはどちらを大切にしていますか?
少し考えてみてください。
次のような“二択”で、自分の価値観がどちら寄りかを知ることができます。
- 勝つこと or 人を育てること
- 技術 or 体力
- 人間性 or 数字で見える結果
- モチベーション or 行動の習慣化
- チームワーク or 個人の個性
このように「どちらが正しいか」ではなく、自分がどちらをより大事に思うかを整理するだけで、
判断に迷ったときの“地図”になります。
私がコーチとして大切にしていること
私自身も指導に悩んだ時期がありました。
いろいろ試行錯誤した中で、今は次の2つを特に大切にしています。
1.人を大切にする
どんなに戦術や技術が優れていても、チームは「人」でできています。
一人ひとりが、違う得意や役割を持っています。
バスケットで貢献する選手もいれば、記録やスケジュール管理、チームの雰囲気作りで支える選手もいます。
誰もが「何かに優れている」と信じて、その力を引き出していきたい。
そんな思いで、日々関わっています。
選手を信じて任せる。
それは、ただの放任ではなく、「あなたの力を信じている」というメッセージです。
2.才能を磨く努力を支える
選手時代、才能がある選手をたくさん見てきました。
でも、より高いレベルに進んだ人は、必ず努力していました。
楽しいから続けられる人もいれば、毎日の習慣として積み重ねている人もいます。
いずれにしても、自分の力を磨き続ける姿勢こそが、その人を成長させていると感じます。
だから私は、「努力が実を結ぶ環境をつくる」ことを、コーチとしての役割だと思っています。
価値観を言葉にすると、指導が楽になる
価値観を整理しておくと、何かに迷ったときに立ち返れる場所ができます。
また、選手との関係も変わります。
あなたの言葉と行動が一致していれば、選手は「この人の言っていることは信用できる」と感じてくれます。
さらに、チームとしても「どんなことを大切にする集団なのか」が明確になり、文化が育ちやすくなります。
まとめ|あなたのコーチングの軸を書き出してみよう
最後に、ぜひやってみてほしいことがあります。
「自分がコーチとして大切にしていること」を、一度書き出してみてください。
1つでも、2つでもかまいません。
それが、あなたの“指導の地図”になります。
そして、いいなと思うコーチの言葉に出会ったら、
「自分の価値観と合っているか?」という視点で見てみてください。
そうやって、自分の軸を育てていくことができます。
📚 コーチングの軸づくりにおすすめの一冊
※以下の商品リンクにはアフィリエイトを利用しています。
※読者にとって学びのある内容を厳選してご紹介しています。
🟢 『コーチングとは信じること』(エディ・ジョーンズ著)
「選手を信じて任せる」という姿勢から、コーチ自身の考え方を見つめ直すことができます。
本記事で触れた「人を大切にする」「判断の基準を持つ」というテーマにもぴったりの一冊です。
この記事が、あなたのコーチングを見つめ直すきっかけになればうれしいです。
あわせて読みたい関連記事
👉 コーチングの鍵は信頼にあり!選手との関係を築く具体的行動とは
コーチの言葉と行動に一貫性があることで、信頼は築かれていきます。信頼をテーマにした具体例はこちら。
👉 選手のやる気が出ない原因はマインドセットにあった!固定マインドセットから成長マインドセットへの転換法
選手が成長するには、固定マインドセットから抜け出すサポートも欠かせません。指導の視点を深めたい方に。
👉 失敗を恐れない!選手の成長を促すコーチング法:失敗から学ぶ成功率アップのための秘訣
迷ったときの判断や価値観を鍛えるには、失敗をどう扱うかも大切です。実践例を紹介しています。