「どうしてあの保護者は、あんなに口を出してくるんだろう…」
こんにちは、すずめです。
選手の指導だけでなく、保護者との関係に悩むコーチは少なくありません。
ときには緊張感を持って接しなければならず、エネルギーを消耗してしまうことも。
でも実は、保護者との関係は少しの工夫で「チームの力」に変えることができるのです。
結論:保護者と“向き合う”のではなく、“同じ方向を見る”関係を築こう→「対立」ではなく「共同行動」のパートナーに。
保護者とコーチの目的は、本来同じ。
それは「子どもの成長を支えること」。
衝突を避けながら、味方としての関係を築くには、視点を“向き合い”から“共に前を向く”へ変えることが大切です。
この記事では、そのための3つの実践ポイントを紹介します。
1. “向き合う”のではなく“同じ方向を向く”
つい保護者とは「向き合って対話すべき」と考えてしまいがちですが、それはときに対立を生みます。
大切なのは、“同じ目的を持っている仲間”として、同じゴールを見ること。
そのゴールとは「子どもがスポーツを通して成長すること」。
▼「技術だけが評価の基準じゃない」と伝える勇気
ある保護者から連絡がありました。
「うちの子のほうが上手いのに、なぜ試合にあまり出られないのでしょうか?〇〇君よりは上だと思うのですが、信頼していただけていないのでしょうか?」
確かに、技術面だけを見ればそう感じるかもしれません。
しかし、練習を休まずに真剣に取り組む選手や、日々コツコツ努力する選手こそ、チームとしての信頼を得ています。
上手いことはもちろん大切。でも、チームメイトからのリスペクトがなければ、試合で力を発揮するのは難しいものです。
そのことを丁寧に伝えたところ、保護者の方も理解を示してくれました。
そして、保護者自身もお子さんにその考えを伝えてくださったようで、選手の行動も少しずつ変化。
今では仲間からの信頼も得られるようになってきています。
2. 選手が“どう伝えるか”が、保護者の印象を決める
保護者との関係を左右するのは、コーチではなく、子どもの“伝え方”であることが少なくありません。
「今日こんなふうに怒られた」「自分ばかり注意される」と聞けば、親は当然心配になります。
コーチは、選手に「なぜそう指導しているか」を丁寧に伝え、選手が自分の言葉で親に説明できるようにすることが、信頼感の土台になります。
▼“言わなくていいよ”の一言に救われた
選手への指導で気をつけているのは、「なぜそう言ったのか」までしっかり説明することです。
誤解が生まれるのは、指導の“背景”が伝わっていないとき。
「こう思っているだろう」「これくらいわかるだろう」という思い込みは、必ずと言っていいほどコミュニケーションのズレを生みます。
以前、ある選手が「お母さんに“いらんこと言わんといて”って言った」と教えてくれたことがありました。
こちらとしてはちゃんと意図を説明したうえで言ってくれたのかは気になりましたが、日ごろのコミュニケーションから、選手がコーチを信頼してくれていたことで、保護者も安心して任せてくれるようになりました。
3. 役割を分けて伝える。チームの方針を守る
「親は応援とサポート、コーチは指導」――この役割分担が曖昧になると、保護者との距離が近くなりすぎ、トラブルのもとになります。
チームとして明確なルールや方針を定め、それに沿って対応することで、一部の保護者の影響が他の保護者に波及することも防げます。
▼“見える景色”が変わるとき
チームでは年に1回、保護者会を開催しています。
保護者会は、いつも「ありがとうございます」の一言から始めます。
――選手を毎日送り出してくれること、私たちを信頼して預けてくれていること。その感謝を、まず言葉にして伝えます。
その上で「コーチは指導、保護者は応援とサポート」という役割分担やチーム方針についてお話しするようにしています。
また、練習や練習試合を積極的に見てもらうようお願いしています。
一人の選手だけを見ていると、どうしても視野が狭くなりがちですが、全体を見てもらうことで、チームの背景やコーチの意図も伝わりやすくなります。
実際、練習試合の見学に来てくれる保護者が増え、試合後の問い合わせも減りました。
うちの子どもだけでなく「チーム全体で成長しているんだ」という認識を共有できたのだと思います。
おわりに:コーチも一人で抱えなくていい
保護者との関係に悩むのは、あなただけではないと知ってください。
多くのコーチが保護者との関係や距離感に頭を悩ませた経験があります。
関係性は「敵」か「味方」かではなく、「どう育てるか」のパートナーシップ。
“向き合う”のではなく、“同じ方向を向く”ための工夫が、あなたのチームを支えてくれます。
選手同士も同じ目標に向けて努力をすることで、成果を出すことができるようになります。
もう少し、チームの枠を広げて、保護者も同じ目標に向けて頑張るチームの一員と考えてみてはいかがでしょうか?
すずめ
コメント