全部やらなきゃダメ?|『エッセンシャル思考』に学ぶ、コーチが力を入れるべきこと・抜いていいこと

コーチのあり方

「全部やらなきゃ」と思っていませんか?

練習メニューを考え、選手の様子に目を配り、試合の申し込みや保護者対応、連絡や備品の管理まで…。
コーチは本当にやることが多い仕事です。

「ここを手を抜いたらチームが崩れるかもしれない」
「誰かがやらなきゃいけないから、自分がやるしかない」

そんなふうに、責任感だけで毎日を走り続けていませんか?
でも、全部を全力でやる必要って、本当にあるのでしょうか?
「ちゃんとやってるのに、うまくいかない」
そんな疲れやモヤモヤを感じているなら、一度立ち止まり、持ってほしい視点があります。


『エッセンシャル思考』が教えてくれたこと

『エッセンシャル思考』(グレッグ・マキューン著)は、
「より少なく、しかしより良く」を実現するための思考法を教えてくれる本です。
ポイントは、“何をやるか”を増やすのではなく、
「何をやらないか」を決めることで、成果を最大化するということ。
この本で最も印象的な言葉のひとつが、

「やらなくては」ではなく、「やると決める」

多くのコーチは、「これはやらなくちゃ」と考えて行動していますが、
それは本当に自分が”やる”と決めたことなのでしょうか?
あるいは、無意識のうちに「やらされている」と感じていないでしょうか?
この本は問いかけます。

「本当に重要なことは何か?」

この問いを持ち続けることこそが、余計なノイズに振り回されず、
本質に集中するための鍵なのです。


コーチが100%で向き合うべきこと

では、「力を抜いていい」とはいっても、
何もかもを手放していいわけではありません。
むしろ、“ここだけは譲れない”という部分には、全力で向き合う必要があります。
たとえば以下のようなことです:

カテゴリー具体例
信念・価値観嘘をつかない、横柄にならない、誠実に接する
信頼関係の構築挨拶・約束・言葉選び・苦しいときにそばにいる
チームの土台設計指導方針、ルール、役割分担、理念の共有

これらはすべて、コーチとしての“あり方”に関わる部分です。
短期的な成果ではなく、長期的な信頼や自立を育てるために、
長い期間でじわじわ効いてくるところは手を抜かず、じっくりと力を注ぐことが求められます。

何かを選ぶことは、何かを捨てることだ。
──『エッセンシャル思考』第4章より


力を抜いてもいいところ

一方で、力を入れすぎていることで、かえって指導がうまくいかなくなる部分もあります。
たとえば、以下のような場面は、コーチが“手を出しすぎない”ことが大切です。

場面力を抜いてよい具体例
選手に任せられること練習準備・片付け・声かけ・ふり返りの記録
説明・指導すべてを言語化しようとしない、1つに絞る
感情面の抱え込み選手のイライラややる気の波を“全部”背負わない
勝敗や他者評価外部の目より、成長のプロセスを重視する
雑務・裏方業務得点係、管理仕事などは委ねる体制に

特に大事なのは、コーチがやりすぎると、選手やスタッフが自分でやろうとしなくなるということ。

「うまくいくように全部整える」より、
「失敗しても立ち直れる力を育てる」ほうが、選手の成長につながります。


「やる」と決めたことを思い出す

あなたは、“やらされて”コーチになったわけではないはずです。
誰かに言われたからやっているのではなく、
「自分でやると決めて」、この役割を選んだ。
だからこそ、全部に手を出さなくてもいい。やることも自分で決めていい。

選択とは、私たちが持つ最も基本的な自由である。
──『エッセンシャル思考』第2章より

その自由を、今いちど自分のために使ってみませんか?


まとめ|全部に全力じゃなくていい。その方が、うまくいく。

「やらなきゃ」と思っていたことのなかに、
実は「やらなくていいこと」が、たくさんあります。
そして、「これだけは大切にしたい」と思えるものに、
100%の力を注ぐ――それが、指導をより良くする道です。
がんばりすぎることをやめて、
本当に大切なことに集中するコーチングを始めるために、
まずはこんな問いを自分に投げかけてみてください。

  • 「これは本当に、今の自分がやるべきこと?」
  • 「選手自身に任せられることはある?」
  • 「チームにとって、一番成果につながる行動は何?」

そして、答えが出たら “やらないこと” をひとつ決めてみる。
それだけでも、ぐっとラクに、成果に近づくはずです。


📘 紹介書籍

『エッセンシャル思考』グレッグ・マキューン 著

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