「うちにリーダー向きの子がいない」「キャプテンを選ぶ時の基準って?」
そんな悩みを、指導現場で何度も聞いてきました。
声が出るわけでもない
技術が特別高いわけでもない
でも、周りから信頼されている子はいる
逆に、技術はあるけど責任感が薄かったり、
リーダーシップを担わせるには不安がある子もいる。
キャプテン選びは、いまだに悩ましいテーマです。
「じゃあ誰に任せる?」
「そもそも“キャプテンらしさ”って何だろう?」
今回は、そんなキャプテン選びのモヤモヤに対して、「見抜く視点」と「育てる考え方」をお話しします。
そもそも、“キャプテンに向いている子”ってどんな子?
「リーダー向きの子がいない」と感じるのは、“目立つリーダー像”にとらわれているからかもしれません。現場ではこんな子が力を発揮することがあります。
- 派手なタイプではないが、誰よりも練習をさぼらない
- ピンチでも感情がコントロールでき、冷静に声をかけられる
- 指導者がいなくても、自分で考え、仲間に声をかけられる
いわば、「静かな支配力」と「日常の信頼」を持った選手。
このイメージを明確にしてくれたのが、サム・ウォーカー著『最強キャプテンの法則』でした。
ヒントになった本:『最強キャプテンの法則』
この本では、“最強のチーム”を率いたキャプテンたちの共通点が紹介されています。
派手に目立つタイプではなく、
・地味で泥臭い行動を続ける
・小さな声かけで周囲を動かす
・外よりも内側からチームを統率する
そんな「支えるリーダー」が多かったことが、印象的でした。
ポイントは、「目立つこと」ではなく、振る舞いの積み重ねだということです。
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どう“見抜く”? 日常にヒントがある
キャプテンに向いているかどうかは、「普段の振る舞い」にヒントがあります。
- 誰かが困っているとき、自然と動けるか
→ 誰かの変化に気付ける - 誰かが見ていなくても、働いているか
→ 自主的に準備や片付け、トレーニングができる - 勝ち負けに関係なく全力を尽くせるか
→ 一貫した行動にチームが影響される
この“日常の行動パターン”に注目すると、技術や声の大きさとは別の資質が見えてきます。
目立たないけれど、チームを支えている子が、キャプテンに向いていることも少なくありません。
どう“育てる”? キャプテン経験が人を変えることも🌱
最初から完璧なキャプテンはいません。
むしろ、任せてみることで育つケースは多くあります。
たとえば:
- 「責任感が芽生えた」
- 「声を出すようになった」
- 「仲間を意識した行動が増えた」
これはキャプテンを育てる視点を持てるかどうかにかかっています。
私が試してきた“育てる仕掛け”
私自身、次のような工夫を通じて、選手の変化を実感してきました。
- 上級生が少ない期間に設けた週替わり下級生キャプテン制
⇒ 短期間でも責任を担うことで、自覚が芽生える - 小さな役割の委譲
⇒ 集合してコーチが教えるのではなく、自分たちで集合をかけプレーを修正していく - 振り返りの習慣
⇒ 状況を尋ねることで、自分の振る舞いを言語化し、気づきを促す
そして何より大切なのは、具体的なフィードバックです。
経験を積むことで、失敗からも学ぶことができます。
1回でうまくいかないことも、コーチの声掛けでどんどん改善することができます。
育てる視点で読みたい:『最強キャプテンの法則』第7章
『最強キャプテンの法則』では、こんな考えが示されています。
「リーダーは自然に生まれるものではない。育てる仕組みが必要だ。」
育成年代のチームで活かせるヒントが詰まっています:
- 小さな責任を少しずつ任せる
- 外からの号令よりも、内側からの統率を価値とする
- 振る舞いに対して言葉をかけ、変化を見守る
キャプテンとは、「立場」よりも「振る舞い」で信頼を得る存在。
だからこそ、任せて育てることが大切なのです。
まとめ:キャプテンは「選ぶ」だけでなく「育てる」もの
- キャプテンは、才能だけで決まるものではない
- 日常の振る舞いからリーダーシップを見抜く視点が必要
- 任せて、支えて、育てていくことで、選手は変わる
いまは頼りなく見える子でも、育つ可能性は必ずあります。
小さな一歩を任せ、変化を見守る。
その経験が、未来のキャプテンをつくります。
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