「見えているものが違う」コーチと選手の視点のズレを解消する指導のコツ

声かけ・関わり方

こんにちは、すずめです。

「同じ練習をしているのに、思ったように選手が伸びない。」
「なぜこのプレーを選んだのか、意図がまったく見えない…」

コーチとして指導していると、選手との“ズレ”を感じることがありますよね。
でも、もしかしたらその原因は「見えているものの違い」かもしれません。

この記事では、私が実際に経験した失敗とそこから学んだ「視点の違いを埋める指導」についてお話します。


コーチはつい“自分の視点”で教えてしまう

初心者コーチの頃の私は、過去の自分の成功体験をベースに指導していました。

全国大会を経験した選手として、どんな練習をすべきか、どんなプレーが正解か
──「自分は知っている」という前提で、選手にアドバイスしていました。
例えるなら、富士山の頂上から「こっちに登ってきて!」と叫んでいるようなもの。

でも、それでは選手には何も伝わりませんでした。

彼らがどんな景色を見ているのか、どこに立っているのか
──そこに気づけていませんでした。


視点の違いに気づいた瞬間

あるとき、選手に聞いてみたことがあります。

「今、何が見えてた?」
でも返ってきたのは「…わかりません」。
「さっきのプレー、ここはどうだった?」と聞いても、答えは曖昧。無言になってしまうことも。
そのとき、ようやく気づきました。
「“見えているもの”がそもそも違うんだ」と。


私が見ている全体像やプレーの要点は、選手にはまだ見えていなかったんです。


初心者と熟練者、“視界”の違いに注目

初心者の選手は、何となく全体を眺めています。
でも、どこが大事かわからず、重要でない部分に目を奪われがち。
一方で、熟練者は全体把握しつつ、要点に焦点を当ててプレーしています。

だからこそ、同じ場面でも“見ているもの”が違う。前提がずれてしまうのです。
これが、コーチと選手の視点の“ズレ”の正体なんです。


コーチに必要なのは「プレーの見方を教える」

選手との視点のズレを解消するには、まず「同じ場面を、同じように見られる」ことが大事です。

私が意識しているのは、以下のようなステップです。
 ・ 同じプレーを見ながら、選手がどこを見ていたかを聞く
 ・ 「ここに注目するといいよ」「こっちを見てみようか」と絞り込む
 ・ もう一度、同じ場面を一緒に見る

焦点を絞ることで、選手の見方は変わります。
そして、ようやく“同じイメージ”を共有できるようになります。

このプロセスはとても面白く、選手たちも自然と引き込まれます。
選手と一緒に視界をそろえていくのは、まるで一緒に山を登っていくような感覚です。


見方を変えるコツは「立場を変える」こと

視点を変える方法は他にもあります。

たとえば、他の選手の視点で見る。
あるいは、コーチ自身が「自分が選手だったら?」と想像する。

逆に選手にも、コーチの視点に立ってもらうのも効果的です。

立場を変えることで、“こう見えてたんだ!”と新しい気づきが生まれます。


まとめ:同じものを“見る”ことで、ズレは埋まる

 ・ コーチと選手は“見えているもの”が違う
 ・ ズレを埋めるには、「見方」を共有することが大切
 ・ 同じプレーを、同じ視点で見る機会を増やそう
 ・ 視点を変える経験が、チームの土台を育てる

「見え方を教える」ことは、簡単にできるものではありません。

でも、少しずつ、少しずつ、選手とコーチが視界を重ねていくことで、選手の理解は深まり、指導の質も大きく変わっていきます。

ぜひ、あなたのチームでも「見方」に目を向けてみてください。

コメント

タイトルとURLをコピーしました